11.2杯以上の考え方

1杯立てのコーヒーと2杯以上のコーヒーで淹れ方は変わるのでしょうか。具体的な課題として100mi~500mlのコーヒーを作る時どう対処していくべきかを解説していきます。

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抽出時間は変わるのか

まず前提となるのは目的の液量が増えたからといって抽出時間は伸びるわけではないということです。抽出時間を3分と仮定して100mlであろうと500mlであろうと抽出時間は3分です。250mlを2回に分けて抽出する、ということであれば話は別ですが。抽出されるコーヒー豆を1粒単位で観測すれば10gだろうと50gだろうとお湯に触れている時間は変わりません。その時間分抽出は進みます

蒸らしも大変?

蒸らしの時間は変えるべきでしょうか。答えはYESです。ここまでで蒸らしは抽出時間の帳尻合わせと主張してきました。もちろんレシピにもよるのですが、極端な例では500mlを淹れる際に蒸らしという工程は不要です500mlの出来高、注湯量は650cc程度でしょう。5投に分けて1投130cc3分抽出完了として最後の5投目は粉詰まりを想定して2分時点での注湯とすると24秒に1投ずつとなります。言ってしまえば蒸らしをしている暇などありません。そして500mlともなればレシピの幅もそうありません。不味くしないのに手一杯というところです。では抽出成立せず未抽出に終わるのではないかと思われるでしょうが、これは体感していただく他ありません

比率はどうなる?

豆1gに対し15ccとしましょう。500mlの抽出には豆が約34gとなります。しかしこれでは少し薄く感じてしまいます。これはハンドドリップ特有の浸透圧が豆量が多いとかかりにくいことが原因です。注ぐ速度とドリッパーからお抽出液が落ちる速度はイコールにはなりません。なので1杯立てと同等の濃度、味わいを求めるのであれば3g程度豆量を増やす必要があります。

バイパスという方法

レシピの余地は少ない、と書きましたが、500mlを作る豆量33+3の36gで仮の過抽出限界3分として3分いっぱいかけて自由な淹れ方をします。相当に濃い抽出液となります。出来上がった抽出液をお湯で目的の500mlまで加水することをバイパスと呼びます。この方法でも十分に美味しいコーヒーは作れます。ひとつ注意点として加水した後、よく混ぜるか少し時間を置く必要があります。抽出液には色々な成分が含まれています。全体に馴染むまでに数十秒の時間がかかります。

ドリッパー選び

たくさんの量を抽出する時おすすめは台型型、または円柱型です。円錐型は難易度が跳ね上がります。円錐型は構造上、中央から下部にかけて粉詰まりが多く発生するので過抽出になりやすい傾向にあります。挽き目を粗くすればある程度の対策にはなりますがそれでも詰まりやすいのでやはり台型型、円柱型がおすすめです。

あとがき

わかりやすくするため仮定を3分としましたが、抽出の状態としては浸漬状態に近くなりますので500mlの実際の過抽出限界は4分あたりになります。挽き目もグッと粗くしておいた方が粉つまりが起きづらくストレスが少ないです。
200ml500mlを同じ味わいにする、というのは言ってしまえば高等技術です。理論上は今回の説明通り可能ですが、実践するとなるとかなり難しいです。24秒一回だとしても一定のゆっくりした注ぎ方ではドリッパーから溢れてしまうでしょう。つまり注ぐ速度のコントロールが実は必要なのです。3投目以降はケトルをグッと傾け力強く注ぎます。それでやっとドリッパーから落ちる液量がやや増えます。

ここまでくると少し練習が必要かと思いますがぜひ試してみてください。

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