まず、抽出レシピについてはほとんど書かずにきました。レシピを目にするとそれだけを取り込み、応用が効かなくなる、またネットで次のレシピを探す、パッとせずに諦める。このサイクルから脱出していただきたい、と言うのが理由です。レシピを真似することは簡単です。しかしこれまでも述べてきましたが再現性のポイントは別のところにあります。なので少し遠回りに感じるかもしれませんが、抽出において大切なことはレシピよりも理解です。この食材は「こうすればこうなる」。生豆の状態から口に入れるまでの工程の8割を焙煎士という他人に任せている状態がスタートです。購入元が変われば同じ食材ではなくなります。なので調整する出来るようになってください。
- コーヒーにおける抽出という現象は粉砕されたコーヒー豆に熱と水分を与え、成分を取り出し、不快な成分が出過ぎないように調整することです。
- 抽出は時間経過とともに進行します。
- ドリッパーを用いることで水流を発生させ、抽出を促進させます。表面張力や毛細管現象を利用して浸透圧を高め、時間経過+浸透圧で抽出を進めます。
- ハンドドリップに限らず抽出には豆の焙煎からの経過や挽き目、抽出レシピ(水と豆の比率)による設定の影響が、抽出結果の大部分を占めます。
- アイスコーヒーや甘いコーヒーを作るには濃度のコントロールが鍵となります。
- 2杯以上作る時も同様にコントロール出来るということが重要です。
抽出器具が変われば抽出時間の上限と下限が変わるのはもうご理解いただいていると思います。ここまでの知識と実践した経験があればフレンチプレスでもエアロプレス、サイフォン、ネルでも抽出のさ中に何が起こっているのか解釈できるのではないでしょうか。
抽出器具、そしてそれをどう扱うかによってコーヒーは色々な表情を見せてくれます。美味しさはどの抽出器具でも再現できます。大事なのは抽出に対する理解とこうすればこうなるという経験です。
今日はこういうコーヒーが飲みたい。そう思った時にちゃんと自分を満たせるコーヒーが淹れられるようになって頂ければ幸いです。
ここをもっと解説して欲しい、や疑問があれば公式ラインにてご質問いただければ随時返答させていただきます。
もう美味しくないコーヒーに悩むのはやめましょう。
