コーヒー豆の冷凍保存の方法について詳しく解説します。特に、正しい冷凍保存の仕方や保存後の使用方法、さらに注意すべきポイントについても触れています。コーヒーをできるだけ新鮮に美味しく楽しむために、正しい保存方法を学びましょう。
コーヒー豆の冷凍保存のやり方
コーヒー豆は時間の経過とともに酸化が進み、風味が劣化してしまいます。そのため、適切な保存方法を取ることが重要です。冷凍保存は、コーヒー豆の酸化を防ぐ効果的な手段のひとつですが、適切に行わないと逆に品質を損なう可能性があります。ここでは、コーヒー豆を冷凍保存する正しい方法を紹介します。
- 小分けにする
冷凍保存をする際は、一度に使う分量ごとに小分けにすることがポイントです。おすすめの目安は1週間で使い切る量。
例えば、1日2杯のコーヒーを飲む場合、1杯あたり10gの豆を使用するとすると、1週間で約140gになります。この量を基準にして、小分けにして保存するとよいでしょう。 - 密閉できる袋を使う
コーヒー豆は空気や湿気を吸収しやすいため、保存する際にはジップロックなどの密封袋を使用するのが最適です。さらに、密封性を高めるために二重包装するとより効果的です。具体的には、
小分けしたコーヒー豆をジップロックに入れ、できるだけ空気を抜く。
そのジップロックをさらにもう一つの袋(アルミ製の袋や別のジップロック)に入れる。
というやり方がおすすめです。 - 冷凍庫の奥に保存する
冷凍庫の扉付近は頻繁に開閉され、温度変化が大きくなります。温度変化は結露の原因になり、豆に霜がついてしまう可能性があります。これを防ぐために、冷凍庫の奥の方に保管するのが理想的です。
コーヒー豆の冷凍保存の注意点
焙煎直後の冷凍保存は避ける
焙煎したばかりのコーヒー豆は、炭酸ガスを放出しながら徐々に風味が開いていきます。そのため、焙煎後すぐに冷凍してしまうと、本来の味わいが十分に引き出されない可能性があります。焙煎後1週間ほど常温で保存し、ガスが落ち着いてから冷凍するのがベストです。
結露や霜の付着を防ぐ
冷凍保存の最大の敵は、結露や霜です。結露が発生すると、コーヒー豆が水分を吸収し、抽出時の味に悪影響を及ぼします。また、水分が付着した豆をミルで挽くと、ミルやグラインダーの刃にコーヒー粉がこびりつき、刃の劣化やサビの原因になります。これを防ぐために、
- 密封袋の空気をしっかり抜く。
- 二重包装を行う。
- 使う分だけ取り出し、すぐに密閉する。
を徹底しましょう。
冷凍されたコーヒー豆の正しい使い方
コーヒーにはわずかながら(2~5%)水分が含まれています。そしてコーヒーオイルと呼ばれる油分も含まれています。水と油、この二つが冷凍された状態で抽出を行うと不十分な結果になることは想像に難しくないと思われます。コーヒー豆も食品です。コーヒーの抽出はたかだか3分程度の内に行われる繊細な作業です。ましてやハンドドリップの蒸らし工程は(基本的に)コーヒー粉のせいぜい倍量のお湯しか使いません。十分な蒸らしが得られなければ当然に抽出は不完全な結果になります。
よって冷凍庫から取り出したコーヒー豆を使用する際は復温が必要になってきます。その際に結露が発生する可能性がありますので豆を広げ少しでも水分が揮発しやすい環境にします。状態を戻したら1週間程度で使い切ります。
コーヒー豆の冷凍はコーヒーの風味を逃さず長期保存には大変便利な方法ですが、コーヒーは食品であること、抽出は繊細な調理であることを念頭においていていただいてコーヒーを楽しんでください。