甘いコーヒーの考え方
加糖
ここで言う甘いコーヒーとはコーヒー本来の甘さのことではありません。加糖し、甘いコーヒーを作る時の考え方です。例えば、濃度の好みはありますが、単体で十分に美味しいと感じるコーヒーに甘味料を加えると少し水っぽく感じてしまいます。フレーバーシロップなどをを使う際にエスプレッソベースになるのはこのためです。ではハンドドリップで淹れたコーヒーをアレンジするのは難しいのでしょうか。前章までのバランスのコントロールと過抽出の知識があれば十分に可能です。
濃度
アイスコーヒーと同じく濃度をあげます。アイスコーヒーでの比率を持ったコーヒーはそのままカフェ・オ・レやアレンジに転用できます。濃度とは、水分量とコーヒー成分のバランスです。カフェ・オ・レは牛乳の乳脂肪のバランスも美味しさに直結しますので可能な限り水分量を減らしたコーヒーを作ると贅沢な印象に繋がります。カフェでエスプレッソが重宝される理由の一つです。濃度の高いエスプレッソに水を加えてアメリカーノにすれば通常のコーヒー。牛乳を加えればカフェラテ、フレーバーシロップやソースを加えれば簡単にメニューの幅を広げられます。
過抽出成分
ひとつアイスコーヒーとの違いがあると言えば、より抽出時間を長く取った方がいいということです。コーヒーを飲んだ時に感じるコクの部分は過抽出成分であるポリフェノール類が寄与しています。本来ならこの成分が強いと渋味やエグ味に繋がるのですが、甘味料、つまり砂糖がその不快な感覚を打ち消してくれます。打ち消すと言うより乗せると言うイメージを持つ方がしっくりくるかもしれません。渋味やエグ味を甘みが打ち消しコクだけが残り飲みごたえと余韻に繋がります。もちろん出し過ぎると打ち消せないほどの不快感が出ますが、お好みの抽出時間+30秒を目安にするといいでしょう。
バランス
あえて出す過抽出成分と水分量。一番シンプルな解決方法は蒸らしの段階をより長く取ることです。蒸らしは抽出時間の帳尻合わせ。このサーバーの液量を増やさずに抽出が進む工程を上手く利用しましょう。

コーヒー本来の甘味
コーヒー本来の甘みを十分に堪能するためには逆に、徹底してクリーンカップにする必要があります。過抽出を避けた淹れ方です。しかしどんなコーヒー豆も淹れ方次第で甘くなると言うことはありません。コーヒー本来の甘さは抽出技術よりもむしろ豆自体の品質、焙煎技術によるところが大きいです。基本的な抽出の知識と高品質な豆があればコーヒー本来の甘みは十分楽しむことができます。

あとがき
この辺りの話はカテゴリー「コーヒーとシロップ」で数々の記事を書いていますのでより詳しく知りたい方はご一読いただければと思います。本記事で何が言いたかったかというと完璧なクリーンカップに砂糖やフレーバーシロップはうまくマッチしない、と言うことです。先述したようにコーヒーのコクの部分は過抽出中に出てくる成分が寄与しています。深煎りより浅煎りの方がコントロールが難しい傾向がありますが、ハマればまるで完熟したような果実感のコーヒーになります。コーヒーと砂糖は切っても切れない関係ですしこのコントロールができるようになればどのようなコーヒーももはや思いのままです。砂糖に限らず濃度の高い、つまり濃いコーヒーを淹れられるようになるとカフェ・オ・レも様々な豆で楽しめるようになります。
